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真夏の熟果-裂けて堕ちたザクロの緋い実
第5章 まさかの

「国道の下のトンネルを抜けて、海水浴場まで走ります」


櫻井翔太が言うと、

鈴木壮太も続いて走り出した。

私はまっすぐ自転車で走って

公園の駐輪場を目指した。


公園の駐輪場に自転車を駐輪して

公園に入っていくと、

走っていく二人が見えた。


やはり、早い…。


追いかけて、私も鞄を持って、

走った。


二人の後ろのポケットには、

「い・ろ・は・す」のペットボトル。


結構な速さ。


引き離されるばかりで追いつけそうにないまま、

二人は国道下のトンネルに…。


その先は、海水浴場。


時間が時間だからか、

誰にも会わなかった。


夜、風が少し涼しい。


散歩をする人がいても

不思議ではない感じだけど、

誰もいなかった。


海岸から聞こえる潮風の音と、波の音。

国道を走る車の音は、微かに聞こえた。

でも、一台だけだったみたい。


そんなことを思いながら、

海水浴場へ向かった。

ここは、朝の海水浴場とは違って、

人気の海水浴場。

だけど、さすがにこの時間に人影は、

先に着いた二人だけ。


『午前零時の交差点』で

始まる歌はあったけど、

『午前零時の海水浴場』だったわ。

でも、ここの海水浴場は、遊泳禁止。

その看板が立っていて、

ここは、日中は、

バーベキューをする若者で騒がしい。

でも、こんな時間に

バーベキューをする人もいないし、

花火を楽しむ家族連れも、いない。


いるのは私たち三人だけ。


私が追い付くと、


「貸切だね」


櫻井翔太が話しかけてきた。


空にガスが出ていないからか、

星が見えた。


遊歩道を歩いて西に向かう二人。


「展望台の上でやろうぜ」


櫻井翔太が私に言った。

露骨…。『やろうぜ』って…。


誰も聞いていないけど…。


「満天の星空の下のセックスだぜ」


鈴木壮太が言うと、


「そうだな」


と、頷いた櫻井翔太。


満天の星空の下っていう感じは

ムードがあっていいけど、

どうなのかしら?

というのが、私の本音。


トイレの上が展望台。

その階段を昇って、

空を見上げると、

ガスの無い空は、満天の星。

海が近いから

霞んでいないわけではないけど…。


星が煌めいていた。
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