この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Dilemma
第1章 【あざとい後輩】
いつもなら「成瀬先輩っ成瀬先輩っ」と
煩いのにこの日は来ない
勿論、移しちゃいけないと気を遣っているのだろう
仕事スピードはまるで変わらないから
大丈夫なのかな?熱はないみたいだし
チラチラと様子を見ながら仕事していたら
「気になるなら優しくしてあげなよ〜」と誂われる
いつもなら「そんなんじゃないから」って
言い返してた私が「うん」と席を立ったのが
そんなに珍しかったか?
ドサっと後輩のデスクに置いた袋の中には
大量のエナジードリンク、スポドリ、カロリーメイト
驚く後輩の横で後回しに出来る案件は省いていく
「今日は午後休で、申請書出しておいたから」
「え?でも…」
「でもじゃないの、上司命令ね」
「…うっす」
「返事は、ハイね」
「ハイ、成瀬先輩」
ボードに行動予定を書いて後輩を連れて帰る
営業車で家まで送るつもり
ナビをセットしてシートベルトを着けてあげた
顔が近いってやつ、至近距離で目が合う
ドキドキしてる?固まんないでよ
そしてわざとシートを倒してあげるの
「着くまで寝てな」
「え…?」
風邪っぴきが何を期待した?
ごめんね、こんな時の意地悪は楽しい
ウソ、ホントごめん
部屋の前まで送って「あがっていきます?」は
ダメでしょ
鍵がちゃんと閉まるまでは居るから
「迷惑かけてすみません」
「先輩なんだから迷惑かけて良いの、無理だけはしないで」
「仕事終わったら連絡して良いですか?」
「うん、わかった」
え、何?そんな驚く事?
「風邪ひくのも悪くないっすね、先輩が優しい」
「調子に乗るな」
「エヘヘ、乗っちゃいますよ、俺の為にこんなたくさん買って来てくれたり気遣ってくれるんですもん、あまり優し過ぎると俺、勘違いしちゃいますよ?」
出た、顔覗き込んできてあざといセリフ
あざとさにはあざとさで返してやるのも手かな
って、首に手を回して引き寄せ、額を合わせる
「熱は…ないか」と離れるの
真っ赤になってる後輩、本当に熱が上がるかもね

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


