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Dilemma
第1章 【あざとい後輩】





腕を掴むな、
男の力出されたら簡単に引き戻されちゃう



「わわわ…っ」


「まだ一緒に居たいっす」


「はぁー、キミの家から私の家まで40分くらいかかるし、私だって一人の時間キープしたいの、ほら、病人は寝た寝た」


「帰り道心配なんで送ります」


「おい病人、寝てろ」


「は、はい……あの、ずっと電話繋げててもらうのは?」


「帰ったら連絡するから」


「じゃあ、言われた通り休んでますからまた良い子良い子してください」


「……あざと」



ドヤ顔するんじゃないよ、大型犬
2回ほど撫でてあげたら目尻下げて笑う
「ん〜良くなってきました」ってウソつけ



「え、何でリップ塗るんすか?」


「え?外に出るから?」


「今から誰かと会うんですか?」


「ただのエチケットでしょ」


「本当に〜?先輩モテるからなぁ〜やっぱり心配なってきた」


「うざっ…早く寝てくれる?介抱しに来た意味ないでしょ」



行こうとする私の手を掴み、
そのまま自分で良い子良い子してる
足りなかったみたい



「帰ってからも俺の事、少しは考えてくださいね?」



真っ直ぐな視線に危うく捕まるとこだった
ぎゅっと手も握られた
「はいはい」と軽くあしらって手を解いたけど
普段のほほんとしていても結構鋭いところがある



キミの事だから、きっと見えなくなるまで
見届けてくれてるんだろうね



介抱しに来てくれてめちゃくちゃ嬉しかったと
言われて私は
会社の人間には内緒だよ、と
念を押す不真面目な先輩
ホント、私の何処が良いの?顔?
絶対、見た目だよね?
どちらかと言えば猫っぽい顔だよ
正確も猫そのもの



正直、昔からモテては居た
男女問わずね
でも付き合ったのは数人程度
なかなか本気になれないから
告白されて断る事もあった
流れで付き合ってもやっぱり長続きしない
そう学んでも、誰かの手を握りたくなる夜もある



キミは丁度良いタイミングで私の前に現れたんだね








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