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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第8章 義息~超えてはいけない境界線(7)
物事の進行には、それ自体に固有の速度というものがある。あるものは地殻変動のように緩慢に、またあるものは雨樋を滑り落ちる小石のように性急に、あらかじめ用意された結末へと向かって加速していく。

私の下腹部の奥深くは、真夏の午後、熱帯雨林の奥底にある名もない沼地のように熱く、過剰な水分を湛えていた。彼が規則正しい潮の満ち引きのようなリズムで腰を回し、私の最も暗い内壁を探るたび、私は自分という輪郭をかろうじて保っていた最後の薄い膜が、音を立てて破れていくのを感じていた。

「いい、すごくいいわ、亮介くん……もっと、ずっと奥まで」

結合してまだ何分も経っていないというのに、私の身体はまるで強い低気圧に見舞われた小さな木造家屋のようにきつく震えていた。抑制のきかなくなった身体の奥底から、無力な水圧を伴った熱い液体が奔流となってあふれ出し、彼の引き締まった前腕を濡らしていく。糊のきいたシーツの上には、夜の帳が降りたかのような濃い影の染みが、急速にその領土を広げていった。

「お義母さん、すごい……僕、もう……持ちそうにないです」

「いいのよ……全部、置いていって」

彼の硬直した肉体が激しい拍動を打ったかと思うと、熱い飛沫が私の鎖骨のあたりへと放たれた。私はその独特の、どこか生ぬるい海草に似た苦味を帯びた匂いを深く吸い込み、喉を鳴らすように受け止めた。

重力に身を委ねるように脱力した身体をそのまま彼に預け、首筋に顔を埋めると、私たちは言葉を交わす代わりに、深く絡み合うような口づけを交わした。そこには罪悪感すら入り込む余地のない、奇妙な真空状態があった。
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