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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第7章 義息~超えてはいけない境界線(6)
ガチャリと鍵が開き、彼が戻ってくる。
玄関のドアが閉まる音、靴を脱ぐ音、スーツの生地が擦れる音。私は息を殺して、キッチンの影から盗み見ていた。ネクタイを緩め、スーツの上着を脱ぎ捨て、ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。
薄い布地の下でしなやかに動く筋肉。肩の線、胸の厚み、腹のわずかな凹み。首筋を伝う汗のしずくが、鎖骨のくぼみに溜まって、ゆっくりと落ちていく。
(……あの日、私をめちゃくちゃに抱いた身体)
そんなことを考えてしまう自分が怖くて、恥ずかしくて、私は慌ててテーブルの雑誌に目を落とした。ページをめくるふりをする。だが、文字は全く頭に入ってこない。紙の感触だけが、指先に残った。
「お義母さん、これ買ったんですか?」
彼の声が、意外なほど近くから聞こえた。私は顔を上げる。
「え、ええ……昼間にね。ちょっと暇だったから、メイクを変えてみたの。……ねえ、変かしら?」
おどけて見せたつもりだった。軽い冗談のつもりで。だが、彼がすっと近づいてきて私の顔を覗き込んだ瞬間、心臓が跳ね上がった。まるで恋する少女みたいにドギマギして、胸元の開きを手で隠してしまう。
情けない。私はもう五十近いおばさんなのに、どうしてこんな男の子の前で赤くなってしまうの? 肌が熱を持っているのが分かった。頬が火照り、首筋まで赤くなっている気がした。
「すごく似合ってます。いつもと違って、とても綺麗です」
低く掠れた声が耳に届いたかと思うと、腕をぐっと掴まれた。指の力が強く、骨にまで届くようだった。
「あっ……」
拒む暇もなく唇を塞がれる。夫のそれとはまったく違う、若くて強い息遣い。舌が私の唇を押し開き、口腔の奥まで入り込んでくる。唾液の味が混じり合う。甘いような、少し苦いような、生々しい味。
私のパジャマの合わせ目に彼の手が潜り込んでくる。指先が肌に触れ、肋骨の下をゆっくりと撫で上げる。乳房の重みを掌で受け止め、親指で乳首をこする。すでに硬く尖っていた先端が、触れるたびに電気のような感触を走らせた。
玄関のドアが閉まる音、靴を脱ぐ音、スーツの生地が擦れる音。私は息を殺して、キッチンの影から盗み見ていた。ネクタイを緩め、スーツの上着を脱ぎ捨て、ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。
薄い布地の下でしなやかに動く筋肉。肩の線、胸の厚み、腹のわずかな凹み。首筋を伝う汗のしずくが、鎖骨のくぼみに溜まって、ゆっくりと落ちていく。
(……あの日、私をめちゃくちゃに抱いた身体)
そんなことを考えてしまう自分が怖くて、恥ずかしくて、私は慌ててテーブルの雑誌に目を落とした。ページをめくるふりをする。だが、文字は全く頭に入ってこない。紙の感触だけが、指先に残った。
「お義母さん、これ買ったんですか?」
彼の声が、意外なほど近くから聞こえた。私は顔を上げる。
「え、ええ……昼間にね。ちょっと暇だったから、メイクを変えてみたの。……ねえ、変かしら?」
おどけて見せたつもりだった。軽い冗談のつもりで。だが、彼がすっと近づいてきて私の顔を覗き込んだ瞬間、心臓が跳ね上がった。まるで恋する少女みたいにドギマギして、胸元の開きを手で隠してしまう。
情けない。私はもう五十近いおばさんなのに、どうしてこんな男の子の前で赤くなってしまうの? 肌が熱を持っているのが分かった。頬が火照り、首筋まで赤くなっている気がした。
「すごく似合ってます。いつもと違って、とても綺麗です」
低く掠れた声が耳に届いたかと思うと、腕をぐっと掴まれた。指の力が強く、骨にまで届くようだった。
「あっ……」
拒む暇もなく唇を塞がれる。夫のそれとはまったく違う、若くて強い息遣い。舌が私の唇を押し開き、口腔の奥まで入り込んでくる。唾液の味が混じり合う。甘いような、少し苦いような、生々しい味。
私のパジャマの合わせ目に彼の手が潜り込んでくる。指先が肌に触れ、肋骨の下をゆっくりと撫で上げる。乳房の重みを掌で受け止め、親指で乳首をこする。すでに硬く尖っていた先端が、触れるたびに電気のような感触を走らせた。

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