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彼と私の10コの差
第1章 彼と私の10コの差
「山本さん?俺に集中して下さいよ」

心を見透かされたのかと思った。
彼を見上げるとちょっと拗ねたような口元に、自然と笑みが溢れてしまう。

「あ、笑ってるし。結局最後は俺のが余裕なくなるんだよなー」

「ふふっ、そんなことないよ。私だって余裕なんかないもん」

「ぜってえ嘘。言っとくけど俺の心臓の音半端ないっすよ?」

伊藤くんに抱き寄せられ、彼の胸に私の耳が押し当てられる。
どくどくどく。
規則正しく動くリズムは確かに少し早いみたいだった。

「わ、私のもすごいよ?」

言った後でちょっと後悔した。
こんなの自分から触ってって言ってるようなもんだ。

「いや、今のなし!聞かなかったことにして!」

「何言ってるんですか。ばっちり聞こえてますよ?」

セーターの裾から伊藤くんの手が侵入する。
お腹の上を撫で、ブラの上から大きな手が私の胸を包む。

「山本さんって、おっぱいおっきいっすよね」

「ってそこ!?ホント男の子っておっぱい好きな子多いよね」

「だって自分にはないんですよ?めっちゃ神秘じゃないっすか」

首すじに伊藤くんの息がかかる。
少し荒くなったそれは彼の欲情を表しているのだろうか。

「けど田中さんみたいにぴちぴちじゃないし」

「田中は引きずらないで下さいよ。俺が興奮するのはこっちのおっぱいです」

ブラを指で下げられ、乳首がセーターに直に擦れた。
触ってほしい。
そう淫らな期待をする自分がいる。

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