この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ほしいままに
第26章 包容
俺がこれからやるべきことは、池袋支店の成績を伸ばすことじゃない。闇の底にいる森川澪奈を、光のある場所へ引っ張り出すことだ。
仕事を失おうがかまわない。これまで地道に築き上げてきたと思い込んでいた幸せな家庭生活は、とっくに俺の手からこぼれ落ちてしまっている。
今の俺の手の中には、守るべきものなど何もないように思えた。
そしてその手で抱きとめたい存在は、森川澪奈しかいない。
澪奈はシートに深く体を沈めるように座りなおした。張り詰めた顔が、少しだけ安堵で緩む。
「支店長、私、連れて行って欲しいところがあります」
澪奈はうつむいたまま、静かに言った。
その声は、決意と恐れが混ざったような、かすかな震えを含んでいた。
仕事を失おうがかまわない。これまで地道に築き上げてきたと思い込んでいた幸せな家庭生活は、とっくに俺の手からこぼれ落ちてしまっている。
今の俺の手の中には、守るべきものなど何もないように思えた。
そしてその手で抱きとめたい存在は、森川澪奈しかいない。
澪奈はシートに深く体を沈めるように座りなおした。張り詰めた顔が、少しだけ安堵で緩む。
「支店長、私、連れて行って欲しいところがあります」
澪奈はうつむいたまま、静かに言った。
その声は、決意と恐れが混ざったような、かすかな震えを含んでいた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


