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ほしいままに
第26章 包容
その姿に俺は、澪奈の逞しさと当時に、危うさを見た。
俺は彼女を閉店間際の売店に連れて行った。
ホットスナックのショーケースに残っていた二つのアメリカンドッグを買って、ベンチに並んで座った。
澪奈は空腹に気づいたのか、先端からかぶりついて唇の端をケチャップで汚した。俺がハンカチでそれを拭いてやると、森川澪奈は照れ臭そうに笑った。彼女の笑顔を見たのは、本当に久しぶりだった。
「なんか、子供に戻ったみたい」
無邪気な笑顔が、途端に歪んだ。
澪奈の頬に、涙が伝い落ちる。
「昔のこと、忘れちゃいたい。でも記憶を捨ててしまったら、大事なものまで一緒に消えてしまいそうで」
しばらく泣いたあと、澪奈はベンチから立ち上がった。
並んで歩き出すと澪奈が俺の手を取った。
夕暮れは群青に色を変えている。
遊園地の門を出て、公園の階段を降りはじめたところで、再び澪奈が口を開いた。

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