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ほしいままに
第9章 僕は真実をねじ曲げたい(香宗我部優)
そこに立っていたのは、森川澪奈だった。
後ろを歩いて来るのは、東条光琉だった。
二人ともスーツ姿なので、同じ会社の社員が外回りでもしているかのように見える。
でも、森川澪奈の前髪は濡れていて、東条光琉の顔も妙にさっぱりとしている。
わき道の向こうを見やれば、すすけたラブホテルの看板が見えた。
「なんだ、香宗我部じゃん。偶然だな」
東条光琉が嬉しそうに声を上げた。
「では、私はこれで失礼します」
森川澪奈は頬を赤らめてうつむいて、胸元にバッグを抱きかかえ、その場を去ろうとした。

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