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ほしいままに
第12章 私は今を失いたくない(森川澪奈)
うつむいたまま震える声で言うと、支店長は低い声で言った。
「ああ。もちろん、クビは避けたい。森川さんをここまで追い詰めたのは・・・俺だから」
私は予想外の言葉に顔を上げ、ふいに涙が止まった瞳で支店長を見つめた。
支店長は眉をひそめ、苦々しい顔をした後、勢い良くテーブルに額を付けた。
「済まない。俺は森川さんに、”女を使ってでも契約を取れ”と言った。あの発言を撤回したい」
「撤・・・回?」
体をこわばらせていた緊張が一気に緩み、今度は怒りがこみ上げてきた。
昂っていた感情に押し出されるがまま、堰を切ったように言葉が零れた。
「それって・・・虫が良すぎませんか・・・?」

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