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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第3章 出会い(3)
美香は、最初からセックスだけを目的にサイトに登録したわけではなかったのだろう。
年齢の離れた男女が、こっそり合図を交わして待ち合わせ、食事を楽しみ、それから自然に、しかし確実に、ベッドへと至る——そんな、スマートで、どこか清々しい関係を、彼女は望んでいるように見えた。
今の僕は彼女から静かに値踏みされている。消極的な態度が、かえって彼女を遠ざけるのかもしれない。男の力で強引に抱き寄せてしまえば、事は早く進むのかもしれない。だが、さっき「私の言うことにはできる限り従ってほしい」と釘を刺された以上、もうそういうわけにはいかなかった。
車に乗り込み、エンジンが静かにかかった。
「美香さん。さっき僕に聞いてくださったけど……美香さんのセックスは、どうなんですか」
「実はね、主人とは八歳離れているの。その主人とは、毎週一回はエッチするって決めているんだけど……ね」
「だけど、なんですか?」
「セックスが、淡白なの。最近は愛撫して、お口で舐めて、アレを入れて終わり、というのが多くて。でもね、裸のまま主人に抱きしめられていると、快感なの。強い安心感に包まれるから」
「でも、セックスには満足していないんですか」
「正直に言うと、そうね。身体の奥が、ジンジンと痺れるように疼いて眠れないときは……ふふっ。そのときは、昭吾くんと一緒よ」
美香がベッドのなかで、静かに自分を慰めている姿を想像した瞬間、昭吾の股間は熱くなった。
車のなかには、サックスの旋律が細く長く流れていた。
ケニー・Gの、あの少し甘く、どこか人工的な余韻を帯びた音色だった。窓の外を流れる街の景色がガラスに映っては消えていく。美香はハンドルを握ったまま、静かに言った。
「ケニー・Gって、知ってる?」
昭吾は少し考えたが記憶の中にその名前を見つけることは出来ず、首を横に振った。
「知りません」
美香は小さく笑った。笑い方は、どこか遠くの記憶を確かめるようなものだった。
「ある人から勧められて聞き始めてから、はまっちゃったの。この人のサックスって、不思議よね。ジャズのクラブで聴くような生々しい息づかいじゃないの。もっと滑らかで、少しだけ甘い。まるで、誰かが丁寧に磨いたガラス玉を、指先でころがしているみたい。私、こういう音を聴いていると、なぜか時間がゆっくりになる気がするの」
年齢の離れた男女が、こっそり合図を交わして待ち合わせ、食事を楽しみ、それから自然に、しかし確実に、ベッドへと至る——そんな、スマートで、どこか清々しい関係を、彼女は望んでいるように見えた。
今の僕は彼女から静かに値踏みされている。消極的な態度が、かえって彼女を遠ざけるのかもしれない。男の力で強引に抱き寄せてしまえば、事は早く進むのかもしれない。だが、さっき「私の言うことにはできる限り従ってほしい」と釘を刺された以上、もうそういうわけにはいかなかった。
車に乗り込み、エンジンが静かにかかった。
「美香さん。さっき僕に聞いてくださったけど……美香さんのセックスは、どうなんですか」
「実はね、主人とは八歳離れているの。その主人とは、毎週一回はエッチするって決めているんだけど……ね」
「だけど、なんですか?」
「セックスが、淡白なの。最近は愛撫して、お口で舐めて、アレを入れて終わり、というのが多くて。でもね、裸のまま主人に抱きしめられていると、快感なの。強い安心感に包まれるから」
「でも、セックスには満足していないんですか」
「正直に言うと、そうね。身体の奥が、ジンジンと痺れるように疼いて眠れないときは……ふふっ。そのときは、昭吾くんと一緒よ」
美香がベッドのなかで、静かに自分を慰めている姿を想像した瞬間、昭吾の股間は熱くなった。
車のなかには、サックスの旋律が細く長く流れていた。
ケニー・Gの、あの少し甘く、どこか人工的な余韻を帯びた音色だった。窓の外を流れる街の景色がガラスに映っては消えていく。美香はハンドルを握ったまま、静かに言った。
「ケニー・Gって、知ってる?」
昭吾は少し考えたが記憶の中にその名前を見つけることは出来ず、首を横に振った。
「知りません」
美香は小さく笑った。笑い方は、どこか遠くの記憶を確かめるようなものだった。
「ある人から勧められて聞き始めてから、はまっちゃったの。この人のサックスって、不思議よね。ジャズのクラブで聴くような生々しい息づかいじゃないの。もっと滑らかで、少しだけ甘い。まるで、誰かが丁寧に磨いたガラス玉を、指先でころがしているみたい。私、こういう音を聴いていると、なぜか時間がゆっくりになる気がするの」

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