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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第3章 出会い(3)
関係は一年半ほど続いた。
逢瀬のたびに、彼は新しい「教え」をくれた。ノーパンで過ごす日常の感覚、パンストの膜を指で押し込みながら愛撫される感覚、そして、射精の瞬間に私の脚を強く抱きしめる感触。
私は紡がれゆく記憶を身体の奥に丁寧にしまっていった。
しかし、別れは意外なほど淡々としていた。
彼が地方の出版社に転勤することになり、最後の夜、二人はいつものようにパンスト越しの愛撫を繰り返し、夫に内緒で朝方近くまで身体を重ねた。別れ際、彼は私の脚に最後にもう一度、長いキスをして言った。
「君の脚は、特別だった」
それきりだった。
連絡は途絶えた。私は悲しい気持ちに苛まれつつも同時に、気持ちは奇妙なほど静かだったらしい。あの関係が自分に残したものは、悲しみよりも、身体の奥に沈殿した「知ってしまった感覚」の方だったから。夫がインドネシアに単身赴任してから、私はしばしば、あの頃の夜を思い出す。
黒いパンストだけを履いて鏡の前に立つと、今でも腿の内側がじわりと熱を帯びる。ショーツのない自由さが、下着のゴムの痕もない滑らかな脚の感触が、静かに疼きを誘う。
*****
そして今、僕の指が、ナイロン越しにその疼きを確かめてきたとき、美香さんははっきりと理解した。
——私は、また溶かされたいの
あの頃のように。いや、あの頃よりも、もっと深く、もっとゆっくりと。
ケニー・Gのサックスが、車内に甘い余韻を残している。
美香さんはハンドルを握り直しながら、腿の奥に沈んだ僕の指の熱を、静かに受け入れていた。過去の男の舌の記憶と、目の前の男の不器用な指の熱が、彼女の身体のなかで静かに重なり合っていた。
逢瀬のたびに、彼は新しい「教え」をくれた。ノーパンで過ごす日常の感覚、パンストの膜を指で押し込みながら愛撫される感覚、そして、射精の瞬間に私の脚を強く抱きしめる感触。
私は紡がれゆく記憶を身体の奥に丁寧にしまっていった。
しかし、別れは意外なほど淡々としていた。
彼が地方の出版社に転勤することになり、最後の夜、二人はいつものようにパンスト越しの愛撫を繰り返し、夫に内緒で朝方近くまで身体を重ねた。別れ際、彼は私の脚に最後にもう一度、長いキスをして言った。
「君の脚は、特別だった」
それきりだった。
連絡は途絶えた。私は悲しい気持ちに苛まれつつも同時に、気持ちは奇妙なほど静かだったらしい。あの関係が自分に残したものは、悲しみよりも、身体の奥に沈殿した「知ってしまった感覚」の方だったから。夫がインドネシアに単身赴任してから、私はしばしば、あの頃の夜を思い出す。
黒いパンストだけを履いて鏡の前に立つと、今でも腿の内側がじわりと熱を帯びる。ショーツのない自由さが、下着のゴムの痕もない滑らかな脚の感触が、静かに疼きを誘う。
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そして今、僕の指が、ナイロン越しにその疼きを確かめてきたとき、美香さんははっきりと理解した。
——私は、また溶かされたいの
あの頃のように。いや、あの頃よりも、もっと深く、もっとゆっくりと。
ケニー・Gのサックスが、車内に甘い余韻を残している。
美香さんはハンドルを握り直しながら、腿の奥に沈んだ僕の指の熱を、静かに受け入れていた。過去の男の舌の記憶と、目の前の男の不器用な指の熱が、彼女の身体のなかで静かに重なり合っていた。

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