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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第5章 出会い(5)
七月のある日。
昭吾は美香と念願の身体を重ねた。きしむベッドの音、肌を伝う汗、体からほとばしる熱。それらすべての感覚が、美香の白い肌に、昭吾の記憶を静かに刻み込んでいくようだった。財布の中には、美香から渡された三万円が入っている。その札束を見るたびに、昭吾は居たたまれない苛立ちを覚えた。
「今日のお小遣い。三万円でいいかしら」
「美香さん、僕、お金はいらないです。それよりも……」
「いいから取っておいて。私からの気持ちよ」
行為のあと、昭吾の腕の中で、子猫のように小さく丸くなって息をする美香に、昭吾は静かに語りかけた。
「美香さん、僕の……どうでしたか」
「気持ちよかったわ。満足したわ」
美香の声は、穏やかで、どこか遠いところから聞こえるようだった。成熟した女の、あの独特の余裕がそこにあった。快楽を味わい尽したあとの、静かな充足と、同時に、まだどこかに残る微かな飢え。
「なぜ、美香さんみたいな方が、出会い系のようなことを」
「う~ん。主人との夜の生活に、満足していないからよ。私が今欲しいのは、何度も頭が真っ白になるくらいの、深い快楽なの」
「ご主人を裏切っている、という気持ちは」
「ないわ。だって、主人のことは愛しているから」
美香は、昭吾の胸に額を寄せたまま静かに続けた。
「美香さんにとって、僕はどんな存在ですか」
「可愛い、ワンちゃんよ。あなたとは、愛のない、ただ身体だけの繋がり。それ以上でも、それ以下でもない」
指先が昭吾の鎖骨を、まるで確かめるように優しくなぞった。
「女の人は、好きでもない男とも、寝られるんですか?」
「寝られるわよ。男だってそうでしょ。好きと、愛しているとは、違うの。この先、昭吾くんのことを好きになるかもしれない。でも、好きになっても何も変わらない。あなたを愛することはないし、愛してはいけない関係なの。私と愛のある身体を重ねられる男は、唯一、主人だけ」
その言葉の裏に、昭吾はかすかな寂しさと、同時に、強い意志を感じた。熟した女の、己の欲望を明確に見据えた目がそこに確かに存在していた。
昭吾は美香と念願の身体を重ねた。きしむベッドの音、肌を伝う汗、体からほとばしる熱。それらすべての感覚が、美香の白い肌に、昭吾の記憶を静かに刻み込んでいくようだった。財布の中には、美香から渡された三万円が入っている。その札束を見るたびに、昭吾は居たたまれない苛立ちを覚えた。
「今日のお小遣い。三万円でいいかしら」
「美香さん、僕、お金はいらないです。それよりも……」
「いいから取っておいて。私からの気持ちよ」
行為のあと、昭吾の腕の中で、子猫のように小さく丸くなって息をする美香に、昭吾は静かに語りかけた。
「美香さん、僕の……どうでしたか」
「気持ちよかったわ。満足したわ」
美香の声は、穏やかで、どこか遠いところから聞こえるようだった。成熟した女の、あの独特の余裕がそこにあった。快楽を味わい尽したあとの、静かな充足と、同時に、まだどこかに残る微かな飢え。
「なぜ、美香さんみたいな方が、出会い系のようなことを」
「う~ん。主人との夜の生活に、満足していないからよ。私が今欲しいのは、何度も頭が真っ白になるくらいの、深い快楽なの」
「ご主人を裏切っている、という気持ちは」
「ないわ。だって、主人のことは愛しているから」
美香は、昭吾の胸に額を寄せたまま静かに続けた。
「美香さんにとって、僕はどんな存在ですか」
「可愛い、ワンちゃんよ。あなたとは、愛のない、ただ身体だけの繋がり。それ以上でも、それ以下でもない」
指先が昭吾の鎖骨を、まるで確かめるように優しくなぞった。
「女の人は、好きでもない男とも、寝られるんですか?」
「寝られるわよ。男だってそうでしょ。好きと、愛しているとは、違うの。この先、昭吾くんのことを好きになるかもしれない。でも、好きになっても何も変わらない。あなたを愛することはないし、愛してはいけない関係なの。私と愛のある身体を重ねられる男は、唯一、主人だけ」
その言葉の裏に、昭吾はかすかな寂しさと、同時に、強い意志を感じた。熟した女の、己の欲望を明確に見据えた目がそこに確かに存在していた。

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