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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第5章 出会い(5)
セックスの後、二人は並んで横になり、しばらく言葉を交わさなかった。
窓の外で、夜の街が静かに息をしている。私は彼の横顔を見つめた。穏やかな眉、静かな目。この人となら、地獄に堕ちてもいい、とふと思う瞬間があった。それは、愛というにはあまりに危うく、欲望というにはあまりに静かで、ただ、抗いがたい何かだった。
逢瀬を重ねるたびに、私の身体は彼を覚えるようになっていった。彼の吐息の匂い、指の動きの癖、奥を突くときの角度。すべてが、私の中に染み込み、日常の隙間にまで侵食してくる。
薬局で仕事中、ふと彼の手が触れそうになると、ズキリと子宮が疼く。夜、夫の隣で眠るとき、夢の中で彼の声が聞こえる。心が、少しずつ、しかし確実に、とろけていく。
「私たちは、間違っているのかもしれない」
彼は私の髪に顔を埋め、静かに答えた。
「間違っていても、やめられない」
その言葉が私の胸の奥に、甘く、重い石のように沈んだ。
二人は、互いの家庭を守りながら、同時に、互いの心と身体を、ゆっくりと、しかし容赦なくむしばんでいった。情熱は激しく、逢瀬のたびに深まり、快楽は、もはや単なる快楽ではなく、存在の確認のようなものになっていた。
彼の中に自分が溶け、自分の中に彼が溶ける。境界が曖昧になり、日常が遠ざかり、二人だけの、閉じた楽園のような時間が続く。けれど、その楽園は、最初から「失われた」ものだった。
約束を守りながらも心は少しずつ削られ、身体は彼を求めるようになった。私は、自分がかつての自分ではなくなっていくのを、静かに自覚していた。それでも会うことはやめられなかった。
彼の腕の中で、頭が真っ白になるたびに私は思う。
これが、女の、最後の、本気の火なのかもしれない、と。
窓の外で、夜の街が静かに息をしている。私は彼の横顔を見つめた。穏やかな眉、静かな目。この人となら、地獄に堕ちてもいい、とふと思う瞬間があった。それは、愛というにはあまりに危うく、欲望というにはあまりに静かで、ただ、抗いがたい何かだった。
逢瀬を重ねるたびに、私の身体は彼を覚えるようになっていった。彼の吐息の匂い、指の動きの癖、奥を突くときの角度。すべてが、私の中に染み込み、日常の隙間にまで侵食してくる。
薬局で仕事中、ふと彼の手が触れそうになると、ズキリと子宮が疼く。夜、夫の隣で眠るとき、夢の中で彼の声が聞こえる。心が、少しずつ、しかし確実に、とろけていく。
「私たちは、間違っているのかもしれない」
彼は私の髪に顔を埋め、静かに答えた。
「間違っていても、やめられない」
その言葉が私の胸の奥に、甘く、重い石のように沈んだ。
二人は、互いの家庭を守りながら、同時に、互いの心と身体を、ゆっくりと、しかし容赦なくむしばんでいった。情熱は激しく、逢瀬のたびに深まり、快楽は、もはや単なる快楽ではなく、存在の確認のようなものになっていた。
彼の中に自分が溶け、自分の中に彼が溶ける。境界が曖昧になり、日常が遠ざかり、二人だけの、閉じた楽園のような時間が続く。けれど、その楽園は、最初から「失われた」ものだった。
約束を守りながらも心は少しずつ削られ、身体は彼を求めるようになった。私は、自分がかつての自分ではなくなっていくのを、静かに自覚していた。それでも会うことはやめられなかった。
彼の腕の中で、頭が真っ白になるたびに私は思う。
これが、女の、最後の、本気の火なのかもしれない、と。

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