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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第6章 出会い(6)
セックスするのは専ら自宅だったから、あまりラブホテルに来ることはなかった。
エントランスを抜けると、若い男女のペアが、身を寄せ合ったまま角を曲がって消えていった。美香との行為が、手の届くところまで来ていることに昭吾は緊張した。唾を何度も飲み干して、その緊張を解そうとした。
「結構、埋まってるのね。とりあえず……この禁煙の部屋にしましょうか」
<三〇六号室>
玄関の電気をつけ、狭い玄関で靴を脱ぐ。片足を上げた際、よろけそうになる美香の身体を支えた。
パンプスを脱いだあとにちらりと見えた、黒パンストに包まれた足裏と、透けて見える真っ赤なネイルが、艶めかしく昭吾の目に映る。
ペニスはすでに勃起し、痛みを覚えるほどだった。玄関のドアが閉まるのと同時に、昭吾は美香の肩を抱き、唇を重ねた。美香それを受け止めてくれた。
しかし、軽いキスのあと、昭吾が舌を差し入れようとすると、「焦らないの。またあとでね」と、身体をそっと離された。
その声には、若い男を導く、熟した女の余裕があった。焦らせること自体が、快楽の一部であることを、美香は知っているのだ。
部屋に入り、室内を見渡す。久しぶりに来たホテルのすべてが、新鮮に映った。美香はソファにいったん座り、それから立ち上がって何かを探し始めた。
「あったわ」
小さな棚から、コーヒーカップとドリップコーヒーを二つずつ取り出す。
「昭吾くん、そこの瞬間湯沸かし器に水を入れて来て。まずはコーヒーでも飲もうよ」
「これって、美香さんが昔付き合っていた方とホテルに来たら、必ず最初にコーヒーを飲んでいた、というあれですか」
「そうよ。そっか、昭吾くんに言ったことあったわね」
昭吾は洗面台に行き、湯沸かし器に水を入れながら、想像を巡らせる。
美香との会話には、よく不倫相手の話が出てくる。決して嫌な思い出としてではなく、淡々と、時には懐かしさを帯びて語られる。
なぜ別れたのか、理由は決して語らない。美香は今も、その男の影を追いかけているのではないか。僕に抱かれる時も、どこかでその男のことを思い浮かべているのではないか——。
エントランスを抜けると、若い男女のペアが、身を寄せ合ったまま角を曲がって消えていった。美香との行為が、手の届くところまで来ていることに昭吾は緊張した。唾を何度も飲み干して、その緊張を解そうとした。
「結構、埋まってるのね。とりあえず……この禁煙の部屋にしましょうか」
<三〇六号室>
玄関の電気をつけ、狭い玄関で靴を脱ぐ。片足を上げた際、よろけそうになる美香の身体を支えた。
パンプスを脱いだあとにちらりと見えた、黒パンストに包まれた足裏と、透けて見える真っ赤なネイルが、艶めかしく昭吾の目に映る。
ペニスはすでに勃起し、痛みを覚えるほどだった。玄関のドアが閉まるのと同時に、昭吾は美香の肩を抱き、唇を重ねた。美香それを受け止めてくれた。
しかし、軽いキスのあと、昭吾が舌を差し入れようとすると、「焦らないの。またあとでね」と、身体をそっと離された。
その声には、若い男を導く、熟した女の余裕があった。焦らせること自体が、快楽の一部であることを、美香は知っているのだ。
部屋に入り、室内を見渡す。久しぶりに来たホテルのすべてが、新鮮に映った。美香はソファにいったん座り、それから立ち上がって何かを探し始めた。
「あったわ」
小さな棚から、コーヒーカップとドリップコーヒーを二つずつ取り出す。
「昭吾くん、そこの瞬間湯沸かし器に水を入れて来て。まずはコーヒーでも飲もうよ」
「これって、美香さんが昔付き合っていた方とホテルに来たら、必ず最初にコーヒーを飲んでいた、というあれですか」
「そうよ。そっか、昭吾くんに言ったことあったわね」
昭吾は洗面台に行き、湯沸かし器に水を入れながら、想像を巡らせる。
美香との会話には、よく不倫相手の話が出てくる。決して嫌な思い出としてではなく、淡々と、時には懐かしさを帯びて語られる。
なぜ別れたのか、理由は決して語らない。美香は今も、その男の影を追いかけているのではないか。僕に抱かれる時も、どこかでその男のことを思い浮かべているのではないか——。

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