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第7章 第七章　　浮遊

あいつは親の死に目に会えず葬儀後すぐの初七日を終えた晩に拉致された。

　1日目・・・

彼はニッパーとペンチとハンマーで手足の指をいたぶられた。

場所は何処かはわからないが蛍光灯のある窓の無い部屋のようだ。

画像は定点で鮮明だった。

三脚か何かで固定している。

ブレが無い。

足の指にハンマーを落とす度に

「ぎゃー！んぐ・・・」

っと叫ぶあいつの顔は地獄を味わう表情だった。

その後、足の指にペンチで爪を剥がされているがあいつは口から泡を出しながら

「やめろ～！勘弁してくれ！」

そう叫んでいる。

指への責めは実はかなり有効で気を失うがすぐに激痛でまた意識を戻される。

責める側は一言も発さない。

プロ集団に思える。

次に手の平を机に開かせハンマーで叩く。

「グギャー！」

あいつはあまりにも愉快な反応をする。

涎が口からダラダラと垂れ、頭髪の根元がピンっと立つ。

あの少ない髪の毛・・・

何回撫でてあげたっけ・・・。

回顧しながらあいつへの楽しかった日々の思い出を消去していく。

その後、彼の指をニッパーで落としていく。

小さなニッパーは一回で落とせず、2度3度とバチバチ挟むため、あいつはその度に嬌声をあげる。

「把狗带来」

犬を連れて来いと中国語が聞こえた。
あいつの責め映像で初めての音声だ。

「明白 了」

了解しましたと言っている。

犬の鳴き声が聞こえた途端、聞き覚えある鳴き声に感じた。

手下が犬の鼻先にあいつの足を持っていくと犬は食いついた。

「ぎゃーーー！やめて！やめてくれーーー！」

あいつの右足が犬の餌になっていく。