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私なりの復讐
第7章 第七章  浮遊
犬は黒茶の艶々した筋骨隆々の体形だ。

 この犬・・・

王ちゃんの事務所にいた犬じゃない?

私は寒気を覚えながら犬の行為をひたすら見ていた。

血液が出るところに構わず食いつき首を左右に振って引き千切ろうとする。

あいつは

「ぎゃー!」

の連呼。

 およそ30分の映像はそのまま切れた。

その後にあの携帯が鳴ってあいつは私に命乞いをしたのであろう。

それも王ちゃんの演出の一部だろうが・・・。

 身震いした。

王ちゃんの残忍さとあいつの苦しむ声・・・。

私は身体が裂かれるような苦痛を味わいながらアドレナリンが増幅し脳内を快楽が支配し始めるのを感じた。

 私はおよそ残忍で冷徹な女だ。

普通ならこの程度で別れた男をいたぶろうとは思わないだろう。

しかし私の冷徹さはあいつの苦悶の表情や奇声で満たされるのだ。


王ちゃんもそれは多分理解している。

それだけにあいつへの仕打ちを半端では終わらせてないのだ。

私は王ちゃんに依頼した事を悔やむどころか感謝した。

これで毎日スッキリした目覚めを迎え、家庭を切り盛りして仕事にも従事出来る。

中途半端では私の満足は得られない。


やはり王ちゃんはあの少ない打ち合わせだけで理解をしていたのだ。

それは逆に私の深層心理を読んでいた証しでもある。
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