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*妄想社長に振り回されて*
第6章 過去と経験
私の言葉に雅也さんは固まって、そして泣きそうな顔をした。

「麻希までそれを言うのか?俺はもともと香菜さんなんて…っ」

「香菜さんなんて、って言う言葉がそもそもこだわってる証拠……ですよ?」

自分でもびっくりするくらい落ち着いていた。
まだ一週間だったからだろうか。
今ではあの日が夢だとさえ思えてくる。

「雅也さん……本当は香菜さんがどこで何をしてるのか知ってるんじゃないですか?」

「…っ!」

「やっぱり」

「でも連絡は取ってない」

「じゃあ会いに行ってきて下さい」

私は仕事場のデスクに置いてある車のキーを手渡した。
だがそのキーを見つめ椅子に座ったまま雅也さんは動こうとしない。

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