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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第18章 貴子~息子の友人の父親との出来事
突然の抱擁に、貴子は皿を洗う手を止めた。

「渕上さん、酔っぱらったんでしょう」

ワインを飲みかわすうちに、二人の間には親密な空気ができあがっていた。

貴子は、彼がふざけてこんな行為をしているのだと信じ切っている。

「奥様じゃありませんよ、私は」

努めて明るい口調で言いながら、貴子は水道を止めた。

彼は言葉を返さぬまま、背後から抱きしめ続けてくる。

その腕の力は、少しずつ増しているように思えた。

「駄目ですよ」

貴子はそう言いながら、彼の腕をおしのけようと手を動かした。

だが、彼はそれに応じることなく、佐代子の耳元でためらいがちにささやいた。

「貴子さん、すみません・・・・」

「もう・・・・、酔いましたね、渕上さん」

「少しだけ、僕にこうさせてください」

彼の言葉には、貴子の心に迫る素直な感情がこもっていた。

妻との長い別離を強いられた彼が、ほんの僅かなわがままを言っているのだ。

貴子には、彼の切実な願いを突き放すことなどできなかった。

「奥様に叱られますよ、渕上さん」

前を向いたまま、貴子は年下の彼を律するように、優しくささやいた。

少しだけ受け入れてやればいい、彼がそれで満たされたるのなら。

シンクを向いて立ったまま、貴子は彼の抱擁を素直に受け入れた。

彼の息吹が、少しずつ耳元に近づいてくる。

彼の指先が、貴子の肢体を服の上からそっと愛撫するように動き始めた。

夫には、随分長い間抱かれていない。

まして、夫以外の別の男性に抱きしめられるなど、結婚後には一度もなかった。

貴子は、次第に自分自身の熱が高まってくることを感じた。

大胆に背後から体を密着させ、更にきつく抱きしめてくる彼。

その指が、貴子の豊かに盛り上がった胸の丘陵に、少しずつ接近してくる。

「渕上さん、いけません」

貴子はなおも余裕を漂わせた声色で、背後の彼にささやいた。

「もう少しだけお願いします、貴子さん・・・・」

彼の手が、シャツ越しに貴子の背中や脇腹、そして胸の下付近を撫でてくる。

それは、貴子が経験したことのない感覚だった。

それだけの行為で、貴子は脚が僅かに震えるのを感じた。

彼の指先が、僅かに貴子の胸元に触れた。

「渕上さん、これ以上は駄目っ・・・・」

いつしか、人妻の口調からふざけたトーンが消え去っていた。
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