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梨華との秘密
第9章 乱れ咲く縄華
 梨華の唇が動き、目にはイタズラッポイ輝きが宿っていた。


「う~ん、どうしよっかなぁ?あの家に行きたいし住みたいけど、今の家も良いしぃ、、、でも、ママはパパの家がいいんだろうし、、、う~ん、、」


 三奈が口を開きかけたが、それを読んでいたように、梨華の唇が動いた。


「うふふ、うそうそ、ホントは、私もパパとママに賛成!早く三人で暮らしたいもん。」


 俺と三奈がフウッと大きく息を吐くと同時に、二人で梨華を抱き締めていた。
 キャッキャッと三人して騒ぎあい、三人の唇がお互いを求め会うように触れ合った。
 しかし、唇の感触を確かめ合うと、名残を惜しむようにユックリと放れた。


「キスの続きは帰ってからだよ。さあ、片付けて行こうか?」


「はい、ご主人様、あっ、パパ。」


 うっかり口を滑らせた三奈が、慌てて訂正したが、小悪魔が聞き逃さなかった。


「ママって、パパのことご主人様って、、ふうん、、でも、私も、ご主人様って、呼んでいい?」


 まずい、真剣だぞ!
 三奈の様子を見ると、少しオロオロしているが覚悟を決めたように目をつぶり、固く唇を噛んでいた。


「うん、いいよ。ただし、人前ではだめだよ。梨華が困るからね。」


「はいっ、パパ。人前では呼びません、ご主人様。」


 嬉しそうに梨華が答えると、三奈が大きく息を吐き、少し辛そうな顔で、


「梨華、絶対に人前で言わないなら、ママは許してあげるわ。」


「ママ、嬉しい!パパ、ママが許してくれたわ。」


 梨華の喜びが爆発した。
 しかし、三奈の顔には苦いモノが浮かんでいた。


「良かったな、梨華。ママ、辛いなら止めてもいいんだよ。でも、梨華は俺達の娘だから心配しなくていいよ。ちゃんとお嫁さんに出してあげるからね。」


「えっ?お嫁さん?パパ、私がパパとママから離れて他の男性と結婚しても、いいの?嬉しい!」


 梨華の目に新たな喜びの色が浮かんだ。


「当たり前さ、梨華はパパとママの娘だからね。それに、そうしないとママがパパを許してくれないよ。そうやろ、三奈?」


 三奈の顔に喜びと困惑が入り交じっていた。


「ええ、パパを一生許さないわ!でも、パパありがとう。嬉しい。」


「やっぱりね。ありがとう、三奈。さあ、そろそろでかけようか?」


 三人が頷き支度を始めた。
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