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梨華との秘密
第3章 娘って
 ヤバッと、思った瞬間、梨華が俺に抱きついてきた。
 急ブレーキ踏んで車をとめた。


「梨華、危ないからやめなさい!死んだら悩みも聞けないぞ。」


 思わず怒鳴っていたが、すぐに後悔した。
 しかし、梨華の顔には嬉しそうな笑顔が広がっていた。


「ごめんなさい、パパ。本気で怒ってくれて、久しぶりで怒られて、嬉しい!」


 あらら、してやられた。
 なにか言ってやろうと、彼女の顔を見ると、切れ長の目から透明な液体が滴となって頬を伝たった。
 俺は、無言でハンカチを渡した。
 小さく、ありがとうって言いながらハンカチを受け取り、目頭を押さえていた。
 中島口の交差点を左折し、連島方向に向かった。


「あっちの山の方の団地が、パパの住んでるところなんだけど?梨華の家はどこら辺だい?」


 俺の指差す方を見ながら、


「えっ?あそこ!私の家も、あの団地なの。近所だといいなぁ。」


 いっ!
 嘘だろ?
 嘘だって言ってくれ!


「へぇ、そうなんだ。パパも梨華の近所がいいかな?ウフフッ、そうは上手くいかないよね。」


 軽く、いなすつもりで言ったんだが、甘くなかったぁ。


「えぇ、その方がパパにすぐに会えるし、梨華も嬉しい。」


 あっじゃあ、逆効果かぁ。
 頼む離れててくれっ!
 しかし、その願いは空しかった。
 梨華の家についた時には、俺は、力尽きるほどガックリきていた。
 しかし、災難はまだまだ終わらなかった。


「梨華、おやすみ、ママによろしくな。じゃぁ。」


 梨華を降ろし、窓を開けて見送って出発しようとすると、梨華が入っていった玄関から二つの影が走り出てきた。
 やべっ、急げ!
 ギアを入れアクセルを踏んだ瞬間、二つの影が車の正面にいた。


「娘がお世話になりました。お茶でもお飲みになって下さい。」


 車が止まると、母親が運転席の横にきて挨拶をしてきた。
 彼女の顔を見た瞬間、災難の本家本元がやって来たっと思った。


「三奈ちゃん?三奈ちゃんかい?」


 我ながら間抜けな質問だった。
 彼女も俺が誰かわかったようで、


「あの!二郎さん?二郎さんなの?うそっ、お茶絶対飲んでいって!帰っちゃだめよ。」


 ありゃりゃ、すっかたなかべさやな。
 俺は、無駄な抵抗を諦め、流れに逆らわないことにした。
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