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梨華との秘密
第3章 娘って
 梨華が不思議そうな顔で、俺と三奈をかわるがわる見ていた。
 三奈の家の駐車場に車を入れ、梨華の案内で玄関に入った。


「ママと知り合いなの?ビックリ!」


「あぁ、パパの大学の後輩だよ。まあ、お茶をご馳走になりながら話してあげるよ、梨華。」


 リビングへ通され、俺は針のムシロに座らされた気持ちだった。


「三奈ちゃん、幸(ゆき)のお葬式以来だね。綺麗になったね。」


 俺の言葉に微笑みで答えながら、テーブルに紅茶をおいてくれた。


「えぇ、父も母も、あなたがあれから姿を見せないから心配してたわよ。」


「すまない、やっぱ、あそこへ行くと幸の思い出が有りすぎて、つらかったんだ。」


 俺は、三奈に正直に答えていた。
 梨華は興味津々で聞いていた。


「ううん、あなたのせいじゃないわ。私があんなことあなたに言わなきゃ、あなたは家に来られたのよ。私さえあんなこと言わなきゃ、、ごめんなさい、、。うっ、うぅ、、。」


 三奈はこらえきれないって感じで泣き出していた。


「いや、三奈ちゃん、君は悪くないよ。あんなこと気にしないで、伯父さん家に顔を出せばよかったんだ。三奈ちゃんのせいじゃないよ。幸の思い出がつまり過ぎちゃってたから、あの家にはね。辛すぎたんだ俺にわ。」


 一気にまくしたてるように言うと、少し三奈が落ち着いてきたようだった。
 肩の震えが小さくなり始め、鼻をかむ回数が減ってきた。
 しかし、伏兵が虎視眈々と隙をうかがってやがった。
 突然、そいつが手榴弾を投げやがった。


「ねえパパ、その幸さんてパパのなんだったの?ママに関係あんの?」


 バァン!
 見事、大爆発!
 三奈が一瞬なにか言おうとしたが、パニクってたらしく金魚みたいに口がパクパクしただけだった。


「あぁ、三奈ちゃん、言ってもいいよね?幸は、パパの恋人だったんだ。結婚する予定だったんだ。結納の前の日だったね、交通事故にあったのは。それで死んじゃったんだ。で、梨華のママは幸の妹なんだ。」


 梨華の中に驚きと、新たな興味が広がるのがわかった。


「それって、梨華が生まれる前の話だよね?で、お葬式の時のお話ってなあに?教えて、パパ。」


 最終兵器の発動じゃあ!
 どうする?
 どうしよ?
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