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梨華との秘密
第6章 支社長の女
 「ふく仙」の駐車場に車を止め店内に入ると、ウィークデイにも関わらずほぼ満席だった。
 名前を告げると、奥の個室に案内された。


「凄いお客さんね。どんなのが来るのかしら?楽しみだわ。」


「うん、軽いランチを頼んでおいからね。まあ、田舎の料亭だからね。ふふふ。」


 そんなことを言いながら待っていると、料理が運ばれ、


「わおっ、美味そうだ。てっさもあるんだ。」


 俺が言うと、朱里も美澤恵理加も、目を輝かせて料理に挑んでいた。
 おさしみ、天ぷら、お吸い物など、たちまちのうちに綺麗に片付けられていた。
 食事が終わり、会計を済ませると、


「これも、経費なの?」


「いや、自腹さ。まあ、課長にたのんでも無理だろね。ふふふ。」


「じゃぁ、私の分は払います。」


 朱里と美澤恵理加が同時に言った。


「いや、構わないよ。俺も楽しませてもらったからね。さっ、次に行くぞ。時間がないからね。」


 待ってと抗議する声を無視して、車へ向かった。
 車のドアを開け運転席に座ると、助手席のドアが開き、朱里が乗り込んできた。
 美澤恵理加のことを聞こうかと振り向くと、目の前にプッくりと形の良い唇が目の前にあった。
 唇と唇が触れ合い、三年の時間を忘れさせた。
 唇が離れ、お互いの瞳を見つめあっていた。


「ごめんなさい、二郎さん。私、怖かったんです。あなたが、それ以上に私自身が。」


「いいよ。過去の事だ。今も怖いんだろう、自分自身がね。」


「えぇ、二郎さんの言う通りです。私は、今も私自身が怖いんです。監視役がいなかったら、もう一度あなたと、、。」


「俺と?まっ、仕方ないよ。俺達のことは噂になってたみたいだからね。でも、監視役はどうしたんだい。」


 俺は、そう言いながらジャケットの中に手を入れ、軽く左の乳房に触れた。
 抵抗されるかと思ったが、外れた。
 乳房の頂点に硬くムニュムニュとした感触が手のひらに、彼女のスイートスポットを教えた。
 軽く指先で乳首を転がすように、弾いた。


「逃げないんだね、朱里。これが望みなんだ。」


 朱里が唇を噛み、


「えぇ、望んでいます。あなたの奴隷だった頃のようにされることを。」


 それ以上言う前に、美澤恵理加が戻って来るのが見えた。
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