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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
……いつの間にか疲れて
二人とも眠りこけていた。

* * *

秋の虫の声が聞こえる。

暑くて、寝苦しいのに慣れていたんで
夜の涼しさがめっちゃ心地よい。

何時かわからんけど
まだ真っ暗で、アタシも寝てる最中だ。

寝返りをうって布団から手を出すと
部屋の空気が、しっとりとしてる。

(アタシの部屋じゃないんだ)

なぜかすごくそう思うけど
居心地がいい。眠い。
ずっと眠っていたい……


……手が伸びてきた。


誰の手かわからないし
なんのつもりなのかわかんない。

特に何をするでもなく
ただ、伸びていた。

なんだかわからない手というのは
怖いなー……と思った。

暗い中からスッと伸びてきてる。
綺麗だけど、怖かった。

眠くて たぶん夢だなと思ったけど
妙に、印象に残ってしまった。

その手をどうしようか迷ってたら

遠くでバイクの音が聞こえた。
新聞配達だろぅ。

「へっくむん」

続いて、Oちゃんが変なくしゃみをした。

アタシは気持ちよくなって、またすぐ寝た。

* * *

次に気が付くと、もう明るかった。
窓は雨戸が無くて、カーテン越しでも明るい。

「はぁ~ん……」

ヘンな夢見たせいか
なんともかったるい気分だった。

なんとなしにひょいと起き上がったら
顔にアロエの肉厚の葉っぱがべちっと当った。
うっ、と反射的にのけぞったら後ろのでかい植木鉢に肩がぶつかった。
すっかり目が醒めた。

こうして植物ルームでの朝がはじまった。

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