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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
Oちゃんの部屋からA女史の所までは
自転車で行けるくらいで、割と近い。

アタシはとっとことペガサス号に乗って
田んぼやら雑木林の間の道を
自転車のOちゃんと並んで走った。

田んぼでは、もう稲刈りが済んでる所が多い。
実った稲がまだ並んでる田んぼも、ちらほらとあった。

セミの声と秋の虫の声が
中途半端な合唱をしてる。

朝は涼しいけど、これからじわ~っと
暑くなりそうな感じだ。

ハッキリした季節感を感じない。
ばらばらで、パッとしない風景だ。
退屈な盆地らしい、つまんない様子だよ。

* * *

A女史の住まいはすぐ見えてきた。
小高くなった場所に林があって
その林のなかに埋もれるように建ってるマンションだよ。
5階建てで、この辺では珍しい建物だ。

門をくぐった先に駐輪場がある。
その途中に広い花壇があって、バラとフヨウをたくさん植えている。
ちょうど花も咲いていて、香りが漂ってくる。

周囲のイナカっぽい雰囲気からは
ちょっと浮いてる空気だ。

歩いて入り口にはいると
ロビーになってて管理人室もある。
集合ポストとオートロックの自動扉もある。

[おはよーう]

[あらおはよう]

インターホンでOちゃんが挨拶して
一緒に自動扉の中に行く。

A女史の部屋は1階で、入って一番そばだ。

Oちゃんと玄関の前でしばらく待ってた。


……なかなか開かない。

「あれ?遅いなー」

「お留守なんだろう。帰ろっか」

アタシは軽くボケといたけど
Oの介は軽々とスルーしてくれた。

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