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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
「Aさんその格好、お絵かきしてたの?」

「そーよ♪」

Oの介が訊くと、A女史は嬉しそうにして隣に案内する。

リビングの隣はアトリエになってる。
絵画のアトリエだ。

画材と絵が部屋の四方を占領してる。
光がはいって、埃っぽいのが見える。
イーゼルに描きかけのカンバスが乗ってる。

「さっき仕上がった所よ」

「ほぉ……」

見ると、ごてごて塗りあげてて
絵の具は見るからに乾いてない。

A女史はついさっきまで
この絵に集中してたんだろう。

「まっかだね」

Oの介が、見たまんまの感想を述べた。
……画面じゅう真っ赤だ。

右上から左下にむかって
真っ赤な激流がぶわ~っとなっとる。

そんで黒や黄色やらの模様が
奔流に漂ってる。抽象的だ。

完成してるのかどうかも
はた目には区別がつかない。

ようするに、わけがわからん。


「うまくいったと思うわ。どうかしら」

「うぁ……」

よりによってアタシの方に、感想を振ってくる。

いやいや、Oの介と同じだけど。
……真っ赤なんだけど。

「あぁ、力強い感じだけど……
この辺に、繊細な表情が出てますね」

アタシは苦し紛れに
一番色彩がこまごまとしてる場所を指して、何とか褒めようと試みた!

「あ~わかるのね?そこ悩んだのよ」

何だかわからない真っ赤をあちこち指差しながら解説された。

「この渦と結晶の境界は表現しきれなかったわ。空間構成だけだと色価が被るから矛盾が出ちゃって」

「……」

「妥協無しでやりたかったのだけど、個展に出すから全部理詰めでやると誤解されちゃうし」

「はぁ……」

ぶっちゃけ、子供が30秒で作れそうな絵だけど、本人は随分いれこんでる様子だ……

ちょっと感想を述べたのが運の尽きだった。
アタシはA女史の講釈に付き合わされた。

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