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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
「あー、じゃがいも♪使っちゃうよ~」

Oの介はいつの間にか脱出して
台所に行って食材あさりを始めとる。

さすがA女史の親戚だけあって
あしらい方を心得てるんだ……

「ここはスクウェアではなく、本質は三角形なのよね。ほら対角線になるでしょう」

わからん。全くわからん!

誰にでもわかるよーなほっこりする趣味をたしなんでくれ~!

「ああ♪ビワもあったー!」

「もらいものよ~。それでこっちのトーンを多層にすると……」

ああっ、なんつう休日だヨ……
アタシは早くもげっそりとやつれてきた……


(げっそり♪ げっそり♪)


「キャベツもあった~♪」

「好きに使ってね。あ、そうそう」

さんざん講釈を垂れてから
A女史は急に表情を変えた。

口をひょいとすぼめて
アタシの方を見た。

そんでとっととアトリエから出て行く。
……ついて来いってことらしい。

もう、ここに来る前から覚悟はしてたけど
A女史と居ると通常生活の何倍も疲れる。

リビングに戻って、そのまま素通りして
寝室のほうに向かってる。

Oの介は台所の辺りで
うずくまってゴソゴソやっとる。
食材あさりに夢中で
こっちの事なんてまるで気にしてない。


寝室は綺麗に使ってるみたいだ。
でかいベッドがある。
天蓋つきの豪華なやつだ。輸入品ぽい。

姿見やサイドボード、チェストと
家具が全部デコってる。全部で幾らなのか…
この部屋だけは特にゼイタクな雰囲気だ。

なにか自慢話でもする気なのか……
そう思って身構えてたら

「すっかり忘れてたわ~」

と言って、部屋のすみっこの
カゴを開けた。

……ペットのケージだ。

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