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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
「ワン。ワン。」

ちっこい豆シバのワンちゃんだ。

かわいそーに、飼い主に忘れられてたんだ。
飼い主のA女史には目もくれず
アタシに向かって威勢よくタックルしてくる。

「ワン。ワン。ワン。ワン。」

しゃがみこんで相手してやった。
……しかし、いつもアタシにはぶつかってくるし
別にカゴに押し込められてたからって
なんともないよーな気も、する。

「ちょっと相手しててね~」

とか言って
A女史は寝室から出ていきながら

絵の具まみれのツナギのファスナーをおろしてぺろっと脱いでいた。

でかいブラが見えた。
とうが立っているとはいえ
スタイルは相当なもんだよ。

アタシも、おっぱいサイズに関してはA女史にあやかりたいモンだよ。
「ワンワン。」

洗面所にでも行ったんだろう。寝室にはアタシひとりだよ。
「ワン。ワンワン」

この際だから、高そうな化粧品でも黙って使ってやるか?その辺の棚をあされば出てくるだろーう!
「ワン。ワンワンッワン。」

しっかしせっかく休みなのに、なにが悲しくて他人の寝室で待機しとるんだアタシは。
「ワンワン。ワンワンワン。」

もっとこう、パーッと派手に遊ぶ機会はないもんか……
「ワンワンワン。ワンワンワン。」

・・・・・・。
「ワンワンワン。ワンワンワンワンワンワン。ワワンワンワンワンワン」

ワンちゃんがやかましい。
アタシは絨毯の上にあぐらかいて
片手でテキトウにあしらっていた。

吠えないで大人しくしてれば愛嬌あるのに
とにかくやかましいし、無礼だ。
びしばしタックルしてくる。

「ワンワン。ワンワンワン」

アタシが静寂に包まれて
物思いにふけりたい気分だとゆーのに
一切お構いなしだよ。

「このーおぅぉう!!」

いらっとして
捕まえて高々とドッグハンギングツリーの刑にしてやろう!と手を出しかかったら
A女史が戻ってきた。

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