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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
「また寝袋で寝たいよー」

「そんなん1人でできるだろぅ」

「1人の時にするわけないでしょ」

「なんじゃそりゃ?だいたい
あんなカッコウが好きな女子はヘンだぞ。
イモムシみたいな妖怪みたいな……」

「妖怪ってオキクムシ?」

あ……それだ。
オキクムシだ。

お菊虫って意味らしいけど
たしかアゲハ蝶だかの蛹(さなぎ)のことだよ。

葉っぱについたサナギが
お女中が後ろ手に縛られた姿に似ているって噂になったとか……それが妖怪呼ばわりされたらしい。

お菊さんというお女中がどっかのお屋敷で
折檻されて殺されたっていう事件があって
その時広まった、今で言えば都市伝説みたいなものかね。
たぶん江戸時代とかの大昔のことだね。

よりによってOちゃんがアゲハ蝶のサナギか!
Oちゃん蝶がキライなのに。

しかし、なんでこんな妖怪の事を覚えてるんだろぅ?
何かのゲームでモンスターとして出てきたのかも。


「じゃぁ~シャンパン持って帰って」

「?なんでだよ」

「そんな薄味のお酒は、いらない!」

……Oの介らしい駄々をこねとる。
仕方ないんで持って帰ることにした。


「じゃぁな、オキクムシ~」

「あ~い……」

てなわけで、帰ることにしたんだけど
スクーター”ペガサス号”に乗っかろうとした所で気が付いた。

アレだ。アルコール摂取しちゃったYO!

ここから家まで歩いて帰ると
かるく1時間以上はかかっちゃうな……

もちろんコッソリスクーターに乗る暴挙に出る手もあるかもしんないが、そこまで横着はできんし、だいいちアルコールに弱いアタシがそんな事したら今度はペガサス号と一緒に田んぼに転落する危険度が高すぎる。

しかたないね。歩くか……
アタシはほろ酔いで
シャンパン片手にのんびり歩き出した。
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