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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
そんで翌日は、たら~っと仕事した。

印刷に使う元紙は来てたから
また荷物運びの苦役はあるにはあったけど
印刷のペースは上がんないし
みんなの~んびりやっていた。


「アイアイが顧客データ消しちゃったって」

「ふーん。島流しの刑だな」

といった日常茶飯事の話をしながら
昼休みも無事済ませて、午後も終わった。


終業時間となると、もう夜で真っ暗だ。
ペガサス号を回収するため
アタシはOの介と一緒に帰った。

「すっかり日が短くなったなぁ」

などと声をかけていたが
どうも、Oの介の返事がない。

あれ?っと見てみると
じい~~っとこっちを見てる。

懐中電灯でひょいと照らすと
フッとうつむいて、
前髪で顔が隠された。

むむっ……
ちょっとゾクっとして覗き込んだら

「……何か企んでるでしょ」

と、ボソっと言ってきた!

「え、なんの事だよっ」

「なんか楽しそうにしてる」

「そんな事ないぞ」

誤魔化したけど、完全に怪しまれてる。
どうして、Oの介にはバレるんだろう?

アタシは平然としてるつもりなのに。
男とデートするっていっても朝っぱらからいつもより化粧したわけでもないし
犬みたいに尻尾が生えててパッタパタやってるわけでもないのに。いくらホビット体型だからって半人半獣なわけじゃないのに。

「ふーーん」

どうも、機嫌が悪いようだ。

「こ、こんど泊まるときは
アタシがミノムシやりたいな~」

くるしまぎれにそんな事を言ってみたが
あんまし反応がなかった。

「また明日な……」

「むぅ~」

ご機嫌が芳しくないOの介を後にして
スクーターでぼるるんっと家に戻った。
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