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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
手持ち無沙汰になったアタシは
もらったブレスレットを手首に巻いてみた。

「キレイだな……あんまし飾り物は
普段つけないけど、これは大事にするぞ」

「似合うよ」

「そ、そーか?」

いっちょまえに照れてみた。

我ながら、こんな時のリアクションに
ひねりというか、目新しさを演出できない。

(自分、恋愛体質じゃないッスから)

こないだA女史に言ったことを思い出す。
まったくそのとーりな感じだ。


「そろそろ出ようっか」

「うん」

エドはすっと立ち上がって
すんませーん、と店の奥に声をかけた。

ジャンパーを着なおしている。

背が高く
見上げた横顔と、襟元のあたりに

逞しさもあったし
何か、疲れたような翳(かげ)りも見えた。

少年というには
世間で洗われた 跡(あと)があるような。

……そんな気がしただけかも。
ラーメン屋の照明がしょぼいからだ。


エドが財布を出して会計を済ましてる。

「らい」

店主はあっさりひと言で、お釣りを渡してた。


店を出たら
アタシは千円札を出してエドのポケットに入れた手に無理やりねじこんだ。

「? いいって」

「うっさいぞ?
学生さんが見栄はるんじゃないぞ?」

「そんなつもりないよ」

「ふーん。エドあれだろう?
実はホストクラブなどの高額バイトで稼いでるんだろう?」

「そんな事ないよ」

「だったらよう
ちくっとは年上のお姉えさんの立場を、立てろよう?」

「わ、わかったよう」

声色(こわいろ)を使って
おどけた口調で、押してやった♪

エドを笑わせることに成功した。
そんなやりとりをしつつ、コンビニの前まで戻った。

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