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第5章 おきくむしの章

翌朝起きた時は
けっこうブルーだった。

せっかく久しぶりにエドに会えたのに
いまいち遊べなかった。

”ラーメン”でラーメン食っただけだったし。

実際のところ
エッチな事してぇな、とも思ってたのに。

ちょっと手を握られただけで
無事終了しちゃったし。

エドは
「行かなきゃ行けない所」に行くって言ってた。

はいそーですか、というしかないけど
やっぱし、残念な気分だった。
アタシと居るよりも優先事項があるんだからな。

そんなの、アタシの我がままなんだろうけど。


もらったブレスレットを眺めた。

アタシに似合うデザインじゃないと思う。
他人には見せびらかせるもんじゃないよ。

でも嬉しいのは確かだ。
これ貰って、ホッとしてる気持ちがある。

それは、アタシとエドの付き合いが
まだつながってたんだなーという気持ちだ。

エドは、アタシの事を
気にかけてくれてるんだ！

しかし、やっぱり腑に落ちない所も、ある。


エドは今
どこで、どんな朝を迎えてるんだろう……


とっとこ会社に向かってる最中も
まーだぼんやりしてた。

アタシのちゅうぶらりんな気持ちに関係なく
道路ばたには
セイタカワダチソウが並んで
頭に黄色い花を咲かせている。

それにまじって
ところどころコスモスが咲きだしている。
白っぽい花もあるけど、黄花のコスモスが目立つ。

だいたい刈り終えた田んぼの景色と
黄色い花の行列で
地面は黄金色になっている。

だんだんと、空は
涼しげになっていくようだった。
季節は、のんびりこんと変化している。