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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章

「ああっ、とこぶしがある♪」

Oの介は絶好調で買い物してる。

トコブシは、あわびの小型バージョンみたいなもんかね。
寿司ネタではあまり聞かないけど
酒のつまみには丁度いいんだろうね。

「活きがいいから、ちょっと茹でて食べられるよ」

「そ、そーかい?」

「旬は過ぎてるけど良さそうだよ」

この”さやか”では魚介類はあまり入らないから
わりとレア物だ。Oの介は喜んでる。

しかし、何とか電話する手はないものか……


(ちょっとトイレ)

とゆーことで
Oの介にカートを預けるか。
それなら丁度いい言い訳かもしれん。

でもこのスーパー、トイレなんてあったっけ?
今まで使った覚えが無いから、わからん。

アタシは周りをキョロキョロ見渡そうと、した。
しかしうまくいかん。

人でごったがえしてるから
背伸びしても周りが見えない……


「そーだ。おでんにしよう♪」

Oの介は無邪気にそんな事を言ってる。

アタシは気もそぞろで
身動きとれない人ごみの中で

こんにゃく・ちくわぶ・がんもどきと

おでんの具材あつめをひたすら手伝った……

「こんなもんだろ。よしレジへ……」

「昆布がまだだよー」

「いや、コンブはいいだろぅ。レジへ……」

「なに言ってんの?
昆布のないおでんなんて有りえないよ」

「え、いやそーだけど」

焦ってるあまり、ドツボにはまっておる。

(おでんにコンブが必要かどーか)

なんてこの際どうでもいいのにOちゃんと議論になりそうだ。
このぎゅうぎゅうに混んだ店内で。
それより早く、早くお会計したい……

「昆布のダシがおでん全体に
風味を加えるんだよ」

「おぅ」

「食べなくてもいいから、昆布は
必ず入れるほーがいいんだよ」

「おぅおぅ」

わーった。それは了解だヨ。
頼むから昆布をカゴに入れて
とっととレジに行こう……


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