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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章

「エド、特急乗るのか?何時ごろだョ」

こっちから東京に出るには
JR『盆地』駅から電車乗って
駅3つばかり行ってから、特急に乗り換えるのが普通だ。時間がかかる。

「予約してないから、遅くても大丈夫。
でも、8時にはこっちを出ないと」

「そうか……」

特急の終電はけっこう夜遅くでも出てる。
しかし盆地から乗ってく電車は本数も少ないし
早めに出ないと、間に合わない。

いま、もう夜7時を過ぎてる。
あと1時間くらいしかない。

なんだったら、エドをOちゃんのトコに誘って
顔合わせしながらお見送りおでんパーティーにするのが愉快じゃないか?などと思ったけどそうもいかない。

間に合わない。


「気にしないでね」

エドが、電話ごしにそう言った。

「声聞けただけでも、良かった」

「なに言ってんだョ」

電話なんていつでも、できるんだ。
……今まであんまし、できてないけど。

「次、盆地にいつ来れるんだ?」

「わからない」

「わ」

判らないって、ナンだョ!?
自分のコトなのに……


「でも
そう遠くないうちに、必ず戻る」

そう言った。

電話越しだけど
それは、アタシに言ってるだけじゃないって
そう感じた。

決然としていた。

それは、楽しい事じゃなくて
なにか、義務みたいなものらしい。

そんなふうに感じた。



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