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第5章 おきくむしの章

世界のあちこちには
創世記の神話があるらしい。

なぜか似たようなストーリーの話が
ぜんぜん違う国々で、別々に語り継がれていたらしい。

そのひとつで

男女のカップル（神様）がいて
その女のほうが、黄泉の国に行ってしまって
男がその女に逢いに行く、てのがある。

綺麗でステキな女性だから
逢いたい一心で、黄泉の国に行くんだ。

苦労の末、黄泉の国へと辿り着き
無事、再会を果たす。

男は超大喜びだ。

『オレってグッドラックだな！ラブユーフォーエバー!!』

てかんじで、ハイテンションになる。

でもやがて、黄泉の国から元の世界に
帰らないとって事になる。

その時女は
帰り道についてのワンポイントアドバイスを
男にさずける。


”決して
こちらを振り返っては、なりません”


……オーライわかったよ!!
というかんじで名残惜しく別れる。

そんで何歩か、歩き出すと
男は、つい数歩まえに言われたことに
すぐ背いてしまう。

女の事が気になるあまり
ついつい、振り向いちゃう。

その時
女は、醜い容姿に
変わり果てている。

具体的にどんな醜さかといえば


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……みたいな事になってる。

それを見てガクブルした男は
脱兎のごとく、黄泉から脱出するんだ。


アタシの胡乱（うろん）な記憶だと
呪的逃走ってのは、そんなお話だよ。