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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
なんでそんな事を思い出すのか、よくわからん。

Oちゃんが黄泉の国の醜女なんてことはない。
アタシより可愛いよ。年下だし。
でも今はおっかない気もするけど。

アタシが逃げ出してるのは確かだろうけど
考えてみれば
これから黄泉の国を目指してる気分かもしんない。

エドが気になって仕方ないから
居るかどうかも定かじゃない、駅に向かっている。

アタシがエドに逢いたくて
黄泉を目指してるんだとしたら
そりゃ、性別が逆転しとる。
アタシが男の役になっている。けしからん!

……だいたい、この寂れた盆地では
エドみたいな美少年との出会いなんて
まず考えられない。

アタシにとっては
この盆地そのものが黄泉みたいなもんだよ。

外はもう真っ暗だし
夜の田んぼ道は、異界への入り口チックな
トリハダたちそうな雰囲気が、ある。

だから、エドに逢いたい一心で
おんぼろスクーターでとっとこ走ってるのも
無理もないのだ!

儚く消えてしまいそうな
殆ど、消えかかってるような希望にだって
すがりたくなるんだ。

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