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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
下りの鈍行列車が着いたのか
帰宅する人がパラパラと改札を通っていく。

……みんな家に帰ろうとしている。
家路を急いでいる。
翌朝、また出勤するために。

ふだん電車を使ってないせいか
夜の改札口がなんだか妙に、イヤな感じだった。

ここでは、エドにべったりくっつく気にならなかった。
人目の事もあるし
それに、エドに悪い。

特急に乗り換えるんだから
いつまでもアタシがじゃれついてたら
エドに迷惑がかかる。

そーだ。
こんな時こそアタシが、話を振らないと。
未練タラタラの重たい女では、いかん。

そんな風にやっと我にかえって
エドを見上げて、たずねた。

「なぁ、特急何時に来るんだ?」

「21時15分」

「そうか。すると今……」

改札前の時計を見ると、まだ20時半にもなってない。
盆地駅を出たのが20時まえだから、そんなもんだ。

「けっこう、ヒマがあるじゃないか!?」

「うん」

なんだよ、じゃあ時間つぶしできるじゃないか。


それもそのハズだ。
盆地駅で急いでたのは、登り電車の鈍行が
さっきのやつで終電だからだよ。
この乗り換え駅で停まる電車がもう無いからだ。

しかしこっちに着いたら着いたで
今度は特急の時間待ちになるから、ヒマがある。
夜になると登り電車の需用がほとんどない田舎ならではの不便きわまりないシステムなんだよ。

だったら、もぅちょいエドと立ち話くらいはできる。
アタシの胸中からスッと焦りが消えた。

「特急来るまでは
適当に待つよ。ここまでありがとう」

「何言ってんだよ」

「夜遅くなっちゃうから、戻って」

…いっちょまえに、アタシを心配してるのか。

「そーかぃ?ではその前に……」

アタシはキョロキョロと周りを見渡した。
近くにキオスクがあるけど、もっとオシャレな店はないものか。

「…どうしたの?」

「おみやげだよ、おみやげ」

まだ時間があるとわかって、アタシは調子が出てきた!
おみやげ、とゆーか餞別を買って
エドに手渡してやらんといけない。

何しろ、ラーメンでブレスレット貰ってから
お返しを用意するヒマもないうちに
バタバタとお別れになっちまって
それがアタシにとっては、えらく気がかりだったんだよ。

「そんなのいいって」

遠慮するんじゃないよ。
というか
アタシの気が済まないよ。
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