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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
普段は立ち寄ることもない夜の町で
エドと並んで、ホテルに向かっている。

そのホテルは、どっかの盆地のホテルと違って
ビジネスホテルが女装したような、こ洒落た外観だ。

しかし、アタシとエドは……

ムーディーでもないしお洒落さのカケラもない。
なんつっても、時間がない。

へたするとホテルに入ったって
お風呂は入ってひと息ついたら
もう出ないとならないかもしれん。

こんなギリギリの綱渡りみたいなスケジュールなら
駅前のデパートでおみやげ物色するほうが遥かに無難だ。
おみやげ渡して

『今はこれが精一杯だけど
今度会ったら、シようぜ?』

そんな別離(ワカレ)の言葉で再会を誓い合って
そんでカッコヨクお見送りしたほうが、うんと無難だ。

それは判ってるのに
アタシは段々と、早足になって歩いてる。

だって
エドも、大股で早歩きしてるからだ。


エドがコツコツと歩く隣りを
アタシはテクテクテクテクと並んで歩いてる。

しかも段々、ピッチが上がっていく。


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