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能天気B型のアタシが美少年と……
第5章 おきくむしの章
盆地に戻った。

駐輪場で眠っていたペガサス号に1発キックを入れて
Oちゃんの部屋にまっしぐらだ。

でも……
いくら急いで戻ったとはいえ
すでに夜10時を過ぎてる。

Oちゃんは夜更かしするの平気だから
まだ、起きてるだろう。
でも、もうおでん待ちどころじゃない。
とっくに出来あがっているんだろう。

と言うより
すでに大量に焼酎かっくらって
Oちゃんができあがってるかも、しれん。

そう考えると、アタシは
恐怖(ブル)っていた。

Oちゃんの部屋に入る瞬間の
アタシの処遇は、どんななんだ……?


アパートの前に
そっとスクーターを停めた。

でもエンジン切る前に

「ぼるんすプ」

とか大きい音が出たから
すでにOちゃんは、気がついたハズだ。


アタシは
近年まれに見る極度の緊張に苛まれつつ、アパートの玄関に立った。
ハンドバッグに入ってる唯一の戦利品(ねりからし)を握り締めて

泣きそーな顔で玄関のチャイムを、鳴らした。
眉間にシワが寄って
あごの辺りにもうめぼしみたいなシワが寄った。


ゴメンよOちゃん……
怒りの表情だって悲しみの表情だって、アタシは甘んじて受け容れるよ。
そしてアナタが抱くその負の激情を、アタシは全身全霊で受け止めるよ。
その表情が笑顔に戻るまで、アタシは何だってする。努力する。
だから……

許してつかぁさい……

………………?

。。。Oちゃんが出てくる気配は、なかった。
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