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能天気B型のアタシが美少年と……
第3章 あいあいの章
「チィッ……この企業(カンパニー)、イッてやがるゼ!」

アタシは親指の爪を口に当てて、歯噛みした。
眉間にシワ寄せて顔にマンガみたいな横線をブワッと引いた影を作って凶悪なツラがまえになった。

「こんな報告書(デタラメ)がまかり通るなんてよ」

「わたしが直しとくから、へーきだよ」

「あんな社員(アイアイ)がふんぞり返ってるなんてよ」

「アイアイは、直せないね……」

「ああ。アタシ達が、どうにかできる代物(シロモン)じゃないゼ?」

アタシは義憤にかられて、もっと凶悪な顔になる。

(でも、納得いかねェよ……)

”『抵抗(あがい)』て、みたくなるんだゼ?”

「顔、こわいよ?直したら?」

なおすゼ?

* * *

午後の苦役がはじまった。

昼やすみ前から始めて、まだ半分も終わってない。
また重てぇダンボールを持って階段をもったもた降りる。
地下倉庫でどーんと積み上げて、フラフラ階段を上がる。

喉はカラカラ、背中はばきばきになる。
うでに乳酸がたまりまくって、だるい。
手のひらがごわごわする。
しんどい。苦痛(シンド)いゼ……?

唯一の救いは、午後からは社長も手伝ってくれた事だ。
社長もかなり年こいてるけど、まともに動ける人だよ。

「ありがとなー。助かるよ」

アタシにも声かけてくる。
ありがとなー、がこの社長の口グセだよ。


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