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能天気B型のアタシが美少年と……
第3章 あいあいの章
「オマイこんなとこになんで居るンダヨッ」
(寄るな……ッ!!)
アタシは反射的に、のけぞった。
耳がでかくてとんがった、変な毛がもっさもさ生えた、顔。
黒目がちっちゃい典型的な悪役の、目。
アイアイ。
こいつがアイアイだよ……
耳障りな早口で喋りかけてくる。
「ヤットコ着いたら邪魔がはいったか。邪魔スンナ。邪魔スンナヨッ?」
「……道に、迷ってたんスか?」
「オーキなお世話ダヨッ」
よく見ると、アイアイは涙目だ。泣きはらして充血してたようだ。
やっぱり道に迷ってたんだ……
呉服屋の店内でそんな涙目の対峙をしてたら
店主さんが暖簾をくぐって、出てきた。
「おー、どうもいらっしゃい!お二人ですか」
「あ、どぅもー……」
「コイツはどうでもいいんだヨ。オイラお茶でイイヨッ」
アイアイがいきなり失礼な事を言ってる。アタシは冷や汗ものだよ……
「とりあえず、中のほうへどうぞー」
靴を脱いで、畳の応接間におじゃました。
くたびれたテーブルに、敷きっぱなしのお座布団。狭い部屋だ。