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能天気B型のアタシが美少年と……
第3章 あいあいの章
アタシは、その禍々しい書面をふんだくってシャッと破いてわっしわし丸めて作業着のポケットに隠した。

「ンナアッ!なーにすんだヨッ」

何にも悪びれた様子もなく抗議してくる悪魔を押しのけて
自前の見積もりを出して、店主さんに渡した。

「どうか、どうかこちらでご勘弁つかぁさぃ……」

気が動転して必死で地声であやまった。

「え、ああ、はい」

「また、またまたお伺いいたしましゅので、どうか良しなにっ」

ぺこぺこ謝りながらアイアイを玉ころがしの構えで、店先のほうに押しやった。
もう退散だ。退散しかない。

靴を履いて店主さんのほうに向かって、もう一度おじぎした。

「……なんだか、あなたも大変そうですね」

そんな事を言われながら、退散した。

呉服屋さんを出ると、あの愚かな小動物は、消えていた。

また、よそで悪さをしに行ったんだろう。
そしてひょこひょこ歩いて道に迷って泣くというルーチンを開始したんだろう。

ダメだ。

ついていけねぇ……
たった一件、同席しただけで、もうアタシはやつれ果てていた。
……追いきれねぇ。

奴は、『規格外(レジェンド)』だゼ……?

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