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第4章 おかまやまの章

そうそう、薄い本のコトさ。
同人漫画という黒魔術さ。

アタシの代表作は何といっても

【未来筋肉探偵コナンザ☆グレート】だよ。

マッチョで丸い眼鏡かけてとんがった髪形の元気な美少年の冒険物語さ。
頭脳明晰でおじいちゃん子。しかも斧の達人。ツーハンドアックスをぶん回す。
大好きな女の子を救出するために高い所から落ちたり、クライマックスシーンでは非常識なくらい高い所から落ちたりする。しかも重たい斧を持ったまま落ちる。

これが大反響で

『誰が喜ぶんだよ』
『誰が得するんだよ』
『マジメに二次創作しろよ』

などの意見が殺到したよ。
……まぁ時代が、アタシに付いてこれなかったのサ。
その後エッチシーンが無いとダメみたいだからエロ重視で何作か手がけたけど
薔薇や百合の花を描くのが大変だからいまいちだった。
効果線ひいたり筋肉かくほうが楽しい。

……で、何の話だっけ。

『ちょっとちょっと』

「ふぇ？」

『なんかへんなもの拾い食いしたでしょ
おなかの調子が悪いんでしょ』

「いや？……へーきだよ」

『じゃあなんで黙ってるの？
無言電話ごっこは今どき流行らないよ』

「うむ、それは同意できるゾ」

『早く下りてきてよ』

「うむ」


どうも心配かけて、しまったな。

ケ－タイをポケットにしまって
もっさりと立ちあがった。
ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ歩き出した。