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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】



漫画やドラマでしか見た事が無い近場の行為。

生で初めて見る二人の行為に沙織は眼鏡越しにある目を細めて何度目かの喉唾を飲み込む。


ジュクリと疼く下腹部。

しかも教え子に…。
天使と悪魔が囁く。



この光景を顔出して注意するか…それとも。






次の声にそれはすぐに白紙となってしまう。




「…声出すと、きこえるよ」




ーークスリ。

小さい笑い声含めた楽しそうな声。

知らない妖艶な声。でも聞き覚えのある男声に沙織は目を見開いた。





やっと聞こえた男の声。そこに、いたのは


同じ教え子の…三矢恵斗(みや けいと)だった。


相手の首筋から顔を上げて見えるその横顔。舌を出して自分の唇をぺろりと舐めるその仕草は遠く離れた沙織の目にも焼き付く。



(……三矢…くん…!?)



意外、だった。


彼はクラスの優等生だからだ。
整った顔立ちにきちんと制服を纏った清楚な格好。頭が良くてスポーツも出来る。
自分の学生時代と比べれば本当に憧れる。

何回か話をして、進んで手伝いもしてくれた。



そんな、彼が。






「や、ぁ…」

「…もっと足開かないと…触れないよ?」




にこりと笑う教室とは真逆な冷徹な笑みで彼女の上から主導を握っていた。




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