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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】

しまったと、思った。
当たるペンに感じてしまうだなんて。
止まる音。静寂な室内。それは先程一人だった空気。だけどそれは気まずく、羞恥するもので。
「…ン…今誰か声…ぁ…」
「…」
ーークチュ…
再び再開される音に沙織はビクリと肩を震わせた。…どうして?なんて思う。
そこは止める所で、逃げる所でしょう?…仕方ないから今回は見逃してあげる。そう情けなくも教師が思っているのに行為の音は続いていく…。
ーーヌププ…クチュ、チュ…
「ゃン、三矢く…ハァ…待って…誰か、いるよぉ…」
「ん…なら聞かせてあげようと思って」
「やだぁ…ァン…」
繰り返す律動の音に沙織はどくんと胸がきゅっと高まる。誰かいても、だなんてそんな意地悪な。
明るい陽に照らされた爽やかな印象がガラガラと音をたてて彼へのイメージを崩していく。
「凄い締め付け良くなったね…けど」
「三矢くん…お願、もう…」
「イきたいの?」
低く、高すぎない声が沙織の耳を刺激した。

