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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】

無言の静寂。
気になって耳を傾けるのが精一杯。また覗く勇気は無い。ここで顔を出して注意すれば良い話なのだが自分も少し喘いでしまった。聞かれてしまった。
それが堪らなく教え子に知られるのが嫌だという感情が勝ったのだ。
「なん、でぇ……」
はっと耳を傾ける。彼女が息苦しそうにそう声を上げている。二人の荒い息は徐々に落ち着いてきて何が起こっているのか分からないそれさえ興奮の栄養剤となっていく。
「イき顔は二人にしか聞かせたくないしね。続きは俺んちにイこう?」
肯定と受け取ったのか、そこから行為する雰囲気は見受けられなかった。ほっとした様な。だけど…だけど物足りないだなんて。お預けくらったみたいでこっちも辛い。
沙織は胸に押し付けたペンを床に置いて足を崩した。
ーーガラッ、ピシャン
「やっと行った……」

