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キスより蕩けたヒメゴトを
第2章 【それは禁断な秘め事】

「…あぁオナニーしてたこと」
そんな明らか様に恥ずかし気もなく。実際事実なのだが否定は出来ない。それでも口にされると恥ずかしい。
「意外だったなぁ…真面目で優しくて、まさかこんな…学校で厭らしい先生が見れるだなんてちょっとレアかも?」
「…そ、そっちだって厭らしい事してたじゃない。あんな所で香山さんと……」
「止めようと思えば出来たのにね?変態なの先生?」
ああ言えばこう返す彼の口の上手さに沙織は返す術もなく垂れた頭を更に縮こませて目を瞑った。その通りだ。
教え子の行為を興味本位で覗いてあげくに自慰していただなんて。
ーーッ…
「!…っ」
頭垂れていた沙織にいつの間にか胸はペンで食い込まれていた。ふよんと胸につつかれたペン。その先には持った恵斗の手が見える。
「…せーんせ」
それから、やっと顔を上げた先に
「……三矢、くん…?」
かけた自分の眼鏡のせいなのか、ギラリと光った彼がそこにいた。
真っ直ぐな眼差し。先程から打って変っての鋭い
まるで小動物を捕らえた獣の様な眼光。
「ツラくないですか…?火照ってるんでしょう…?」
ーーッー……
くいこんだペンで胸の周りを回し恵斗は沙織を見つめたままひとつ、お得意の小さな笑い声で室内を響かせた。
なんだろうこの胸騒ぎ。
ドクンと鼓動が大きくたてる沙織の中で。これから何かが始まりそうな期待と焦り。
「俺が…治してあげようか?」
悪魔が、囁く。

