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キスより蕩けたヒメゴトを
第2章 【それは禁断な秘め事】

ーーガタンッ
危険だと察知して後ろに下がるも待っていたのは教卓。冷めきった身体がまた沸騰した様に沸くそれを何とか抑える。教え子に欲情しちゃいけない。
これは強く理性を持たないと、と思い沙織はペンを受け取ると恵斗から視線を外して扉の方へ足を一歩踏み出した。
「…変な事言わないで帰りなさい…!」
大人の余裕で躱す。実際余裕も何も無いのだがこうでもしないとその眼差しから逃げられそうになかったのだ。扉につくまであと少し。そんな所で恵斗の一言に足を止める。
「先生の声、可愛くて録音しておいたからいつでも聴けるね」
その言葉は一生、私の足を止める事だろうとこの時沙織は思った。
振り向いた矢先にスマホを持ち口元を横に描く微笑みは綺麗なのに言っている事は残酷で。
その中にすぐさま先程の自分を記録されている、のだと沙織は察知した。
「……っ…三矢、くん…!それ…」
「今便利なアプリ多いよね。先生夢中になってるんだもん、ムービー中にも関わらず凄い顔してアソコ触ってんの」
ーークスクスクス
何度目かの笑い声はどんなに今程いらつかせた事だろう。押し寄せる焦る気持ちと明日の自分に混乱しながら沙織は放心してしまった。
「…やめて、消して!」
それから再び彼に近付いてスマホを取り出そうと試みてもそれは成長期な高校生の男は彼女よりも高い身長の上まで持ち上げられ、その代わり
至近距離となった。
その瞬間、沙織の心臓がとび跳ねる。微笑んだ爽やかな好青年がいる。だけどその裏に隠れた真相は既に知っている。見てしまった
「…こういう言い方はずるいか。さっき香山さん彼氏さんに呼び出されたから俺も熱持ってるんですよね」
裏側な、彼を。

