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キスより蕩けたヒメゴトを
第2章 【それは禁断な秘め事】




「…先生…さっきも思ったけど可愛い声で鳴くんだね」

「三矢くん…やめて、っっ…ん」

「……本当にここでやめたいの?凄い心臓バクバクしてるけど…。まるで期待してるみたい」

「ち、ちが…ひゃっ」




唇が徐々に下へと降りてくる感覚だけだというのに感じ取る。そんな彼女を微笑みながら恵斗は教卓から離れて沙織を追いやり、今度は彼女を黒板へ押し込むと片手で呆気なく沙織の両手首を押さえ込んだ。







「その声もっと聞かせて。でもスマホ先生に取り上げられちゃ困るから縛らせてね」



携帯没収。
そんな学校にある日常みたいな言い方なんて。首筋から解放された熱はこもって上がる息で恵斗を見つめる。
彼は緩んだネクタイをいとも容易く解くと口元に咥えて目元を柔らかく浮かべた。

シュルリと擦るその音だけにピクリと反応してしまったのは沙織だけの秘密だ。




「み、三矢くん……何、するの…?」

「今からそんな顔してたらこの先どんな顔が見れるんだろう。ゾクゾクしてきた」

「ひゃ…ぁ」



再び埋もれる首筋。舐められながらかかる重力を拒む抵抗はお陰で無い。いつの間にか頭上で縛りあげられてたネクタイは彼の裏技みたいに俊敏だった。






「さっき守川(もりかわ)が巡回してたから口につっこむか悩んだけど、先生が我慢すれば聞こえないから大丈夫だよね?」



恵斗の言葉に沙織は身を固めた。




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