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キスより蕩けたヒメゴトを
第2章 【それは禁断な秘め事】

再び視界に入った影。先程隠れていた教卓の中に沙織はいた。きょとんと目を瞬かせ目の前には教え子。シィ、と人差し指を口元にして妖艶に微笑む彼を見て彼女は頬を赤らめた。
「あれ…声がした様な気がしたんだけどな」
ーードクン
と同時に跳ねる鼓動。
(も、守川先生の声…っ!)
固く縛ったネクタイに拘束される手で沙織は息を漏らさない様に口元を覆った。コツコツと室内を徘徊する音が聴こえる。
やばい…焦る沙織はどうしようもなく鼻息を荒げさせた。密室の空間で今は三矢恵斗がそこに。
「………隠れるの得意だよね?」
「し、静かにしてお願…」
聞こえない様言い終える前に沙織の唇は塞がれた。
とは言っても唇を覆った手の上にだが。沙織の細長い指の上。もし覆ってなかったら私のファーストキスは…と頭の隅に沙織は混乱した。

